Happy Wedding

見返り美人

  fushimiさんの結婚式用に制作したパリュール。 御披露目はお式!と、制作途中の写真を出すのも我慢していた自分的力作。

  2005年夏〜秋にやたら上京の機会があったので、3回くらい直にうち合わせできたというナイスタイミングの品。 チーズフォンデュを食べながらスワロビーズの色見本、特殊コーティングの見本、金具他を並べたり、「晴れの日のビーズジュエリー」を持ちこんでいながら開きもせずに「すぐわかるヨーロッパの宝飾芸術を出すというツッコミどころ満載の我が行動。

  ガーランド風・ビーズっぽくない雰囲気でという要望により、色々と初めて挑戦した手法や見切り発車した部分もあって、制作話をぶっちゃけると方々からハリセンが飛んできそうなので我が身を守るために自粛。 強度のためにテグスではなくワイヤーを使ったら頻繁にワイヤーの先(しかも斜めカット)を指に刺して血玉を作っては眠りの森の美女の魔女ごっこ「血のように赤い唇、雪のように白い肌、真っ黒な髪の姫を」と白雪姫の母親ごっこを楽しんでいたというくらいはぶっちゃけてもよかろうか。 ちょうど冬でしたし。

  制作作業が結婚式当日の本っ当にギリギリまでかかって、さぞや冷や冷やさせたかと思うと申し訳ない限り。 ちなみにドレスはドレスで新婦の自作。 ずずーっと画面下方に移動して、階段に広がるトレーンを見よ! こちらの制作があったので、アクセサリーの遅れからまだ幾分かは気が紛れていたことかと思われます。などと逃げてみたり。


トレーン!
なんちゃって牧師とかFF8のサイファーとか

  最初に作ったのは新郎用のロザリオ。金具類は銀古美、ビーズはスワロフスキー#5000のモリオンとジェットで。 モリオンはネットショップでも取扱いが少ないので、上京時にKIWAに飛び込んで店頭分を買い占めてきました。

  ロザリオは見たのがどれも2,3千円で売ってそうな雰囲気のばかりだったから&敬虔なクリスチャンぽいと気後れするのでキリスト像のついていない十字架でという希望に添いまして、売ってなさそうなロザリオを作る!が至上命題と認識しました。 十字架はおそらくチェコ製の黒ガラス。 珠は一つ残らずビーズキャップで飾り付け、メダイも市販のマリア像ではなく新婦用のガーランドに使っているものを同じデザインのパーツを銀古美で用意、こちらはジェット・ブラックダイヤモンド・クリスタルで飾り付け。 ビーズの間にも新婦のネックレスと同じデザインの飾りチェーン。 かなり長くなりました。 ちょっとやりすぎ。


方向性はこの辺で確定

  次に作ったのがネックレスとイヤリング。 ガーランドぽく、かつビーズ風味を消すのはなかなかに難しく、あれこれ考えたり並べたりして辿り着いたのがスカシパーツとローズモンテ。

  スカシパーツは幸いに地元にある店でちょうど良い形があったので、頻繁に襲撃しては店頭分を買い占めるを繰り返して調達。 一方のローズモンテはこれまたネットでも取扱いが少なく。 やはり上京時に買い込んだものの使い果たしてしまい、新婦におつかいをさせるという暴挙に。 人様からの依頼で作る時くらいは、行き当たりばったりのとりあえず買いはやめろと反省しきり。

  ワイヤーを使ったので端処理に一苦労。 そのままではちくちくするどころか流血しますから。 最終的には力業。 スカシパーツに爪をロウ付けできれば!と思い、少し血迷いかけましたが使えるようになるまで時間がないってば時間が!と我に返りました。 爪がついたらついたでチャトンモンテに変更すると血迷うのが目に見えていたのもあり。

  そしてティアラも含め、使ったワイヤーがなかなかの量。 何10メートル使ったかは聞かないで欲しい。 切った分もあるけど、30メートル巻きをいくつ消費したかは袋を処分したので今となっては不明。 数えたくない数えたくない。 ビーズにクリスタルガラスを使っていることもあり、見た目より微妙に重量感があります。 クリスタルガラスは鉛が入っているから重いのですよ。


花嫁にラジオペンチを握らせるところだったと

  そして一番の難関だったのがティアラ。 そもそもティアラを作ったのは初めてでした。 今だから言えるぶっちゃけた話、

「どうやって頭に留めるの?」
「どうやって立ち上がらせるの?」
「?」
「??」
「???」

  悩んでも仕方がないとばかりにパーツを山のように作って積み上げ、前述の本をサイズの参考にして組み立てる。 この形にする前に支えを別に作ってみたらあまりにもダサいと言うか、手作りビーズ風味が恐ろしいことになって、ヤケを起こしてパーツ単体で組み上げ。 素晴らしいことに自立しました。 自分で拍手しましたとも。


式の主役は花嫁

  後になって「こうすればよかったんだ!」な解決策が降ってきた点もあり、それが原因で衣装担当さんと花嫁にいらぬ苦労をかけてしまったりで大反省。 今なお解決法が思い当たらない箇所もあり。 しかして見てくれは自分でなかなかのお気に入りとなり、色々と思い入れ深い作品となりました。

  着用者の苦労はさておいて好評はいただけた模様。 個人的には「どこの博物館からパクってきた」がウケました。ナイスコメント。

  人からの依頼で作ることが皆無だった私には、自分からはやろうとしなさげなことを考えて、工夫に工夫を重ねることになった分、新しい手法が開けまくって光り物路線が更に加速。 作らせていただいて大感謝。

  写真の使用許可もありがとうございます。 旦那氏のお顔には目線代わりにクリスタルなぞ。


ご結婚おめでとうございます。 末永くお幸せに!

新郎新婦

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千年語り